地震や大雨などの災害に備えて、水や非常食、懐中電灯などを準備している方は多いと思います。
でも、意外と後回しになりやすいのが「トイレ」ではないでしょうか。
「水が止まっても、トイレくらいは使えるでしょう」
「最悪の場合は、避難所に行けばいいのでは?」
そんなふうに考えてしまうかもしれません。
ところが、大きな災害が起こると、断水だけでなく、下水道や排水設備が被害を受けて、普段どおりトイレを流せなくなることがあります。
しかも、食事は多少我慢できても、トイレを何時間も我慢し続けるのは難しいものです。
特に一人暮らしの場合は、誰かが代わりに準備してくれるわけではありません。
だからこそ、防災用品を買う前に、
「もし自宅のトイレが使えなくなったら、私はどうする?」
と一度考えておくことが大切です。
この記事では、災害時にトイレが使えなくなる理由から、携帯トイレ・簡易トイレの違い、一人暮らしで必要な数、使用後の処理、選び方まで、できるだけわかりやすく整理してみます。
防災用品は、最初から全部完璧にそろえる必要はありません。
「まずはトイレから備えてみよう」と思った方が、自分の暮らしに合ったものを選べるように、一緒に考えていきましょう。

- 災害時にトイレが使えなくなるのはなぜ?
- トイレを我慢すればいい、では済まない理由
- 災害時のトイレにはどんな種類がある?
- 一人暮らしなら、災害用トイレは何回分必要?
- 携帯トイレはどうやって使うの?
- 災害時のトイレで意外と困る「使用後」の問題
- 一人暮らしの女性が気になる災害時のトイレ事情
- マンション・賃貸住宅で災害時のトイレを考えるときの注意点
- 災害用トイレを選ぶときのチェックポイント
- 一人暮らしにおすすめの災害用トイレを選んでみました
- 災害用トイレは「何を買うか」より「どう備えるか」が大切
- 災害時のトイレは「使った後」まで考えて備えよう
- 災害用トイレは、普段から一度使い方を確認しておくと安心
- 災害用トイレは、どこに置いておく?
- 防災トイレは「家にいるとき」だけ考えればいい?
- 携帯トイレと簡易トイレ、どちらを選べばいい?
- 災害用トイレを選ぶとき、価格だけで決めないほうがいい理由
- 「100回分も必要?」と思ったら、収納場所から考えてみる
- 災害用トイレは「買った日」も確認しておこう
- 一人暮らしの防災は「全部そろえる」より「困る順」に
- こんな備え方なら、一人暮らしでも始めやすい
- まとめ|災害時のトイレは「今のうちに考えておく」ことが大切
災害時にトイレが使えなくなるのはなぜ?
災害時のトイレを考えるとき、最初に知っておきたいのが、
「水が止まったらトイレはどうなるの?」
ということです。
普段はレバーを回せば水が流れ、汚水は排水管を通って下水道などへ運ばれていきます。
ところが災害時には、水道だけでなく、電気や下水道、建物内の排水設備などにも影響が出ることがあります。
そのため、「タンクに水を入れれば、とりあえず流せる」と単純には考えられません。
断水しただけなら、トイレは使える?
断水しているときでも、状況によっては便器に水を流すこと自体ができる場合があります。
ただし、「水が流れるかどうか」と「流しても安全かどうか」は別の問題です。
たとえば大きな地震のあとには、建物内の排水管や下水道管が損傷している可能性があります。
その状態でトイレを流すと、正常に排水できず、汚水が逆流したり、別の場所であふれたりするおそれがあります。
そのため、大きな地震などのあとには、自治体やマンションの管理会社などから、排水設備の使用について案内が出ていないか確認することが大切です。
停電だけなら大丈夫?
停電したからといって、すべてのトイレが使えなくなるわけではありません。
トイレの種類によっては、停電時でも手動で使える場合があります。
一方で、電気を使う機能が付いたトイレでは、停電によって一部の機能が使えなくなることもあります。
つまり、
「停電=必ずトイレが使えない」
とも、
「停電しても普通に流せる」
とも一概には言えません。
自宅のトイレが停電時や断水時にどうなるのか、平常時に取扱説明書などで確認しておくと安心です。
地震では下水道や排水設備にも注意
大規模な地震では、上水道だけでなく下水道などのライフラインにも被害が出る可能性があります。
国土交通省も、災害時のトイレ機能を確保するために、マンホールトイレなどの整備を進めています。
つまり、災害時のトイレ問題は、
「水がないから困る」だけではありません。
「流した先が大丈夫なのか」というところまで考える必要があるのです。
だからこそ、自宅で過ごす可能性がある場合は、水を使わずに処理できる携帯トイレや簡易トイレを備えておくと安心につながります。
トイレを我慢すればいい、では済まない理由
災害が起こると、「水がもったいないから、トイレに行く回数を減らそう」と考えてしまうかもしれません。
しかし、トイレは食事や入浴のように、ある程度自由に回数を減らせるものではありません。
しかも、トイレが使いにくい環境になると、できるだけトイレに行かないように水分を控えてしまうことも考えられます。
だからこそ、防災では食料や水だけでなく、トイレの備えも同じように考えることが大切です。

「トイレがない」ことは想像以上に大きなストレス
災害直後は、家の中が散らかっていたり、停電して暗かったり、スマートフォンがつながりにくかったりと、普段とは違うことが次々に起こります。
そんな中で、
「トイレはどこに行けばいいの?」
「外まで行かなければならないの?」
「夜でも避難所まで行くの?」
と考えなければならないのは、それだけでも大きな負担です。
特に一人暮らしの女性なら、夜間に一人で外へ出ることや、避難所のトイレを利用することに不安を感じる場合もあるでしょう。
もちろん、災害の状況によっては避難が必要になります。
それでも、自宅で安全に過ごせる状況なら、自宅で使えるトイレを準備しておくことには意味があります。
災害時のトイレにはどんな種類がある?
「災害用トイレ」と検索すると、携帯トイレや簡易トイレ、組立式トイレなど、いろいろな商品が出てきます。
名前が似ているので、最初は少しわかりにくいですよね。
大まかに考えると、家庭で備えやすいのは携帯トイレと簡易トイレです。
| 種類 | 特徴 | 家庭での備え |
|---|---|---|
| 携帯トイレ | 普段の洋式便器などに袋をセットして使うタイプ | ◎ |
| 簡易トイレ | 便器そのものが使えない場合などに使う組立式など | ○ |
| 仮設トイレ | 避難所などに設置されるトイレ | 個人で用意するものではない |
| マンホールトイレ | 災害時にマンホールを利用して設置するトイレ | 自治体などが整備 |
携帯トイレとは?
携帯トイレは、普段使っている洋式便器などに袋を取り付け、排泄物を袋の中で処理するタイプです。
商品によってセット内容は異なりますが、
- 汚物袋
- 凝固剤
- 処理袋
- 防臭袋
- 便器にセットするための袋
などが入っているものがあります。
普段のトイレを「排泄する場所」として利用しながら、水を流さずに処理するというイメージです。
そのため、すでに洋式トイレがある一人暮らしの住宅では、比較的取り入れやすい方法といえます。
簡易トイレとは?
簡易トイレにはさまざまなタイプがあります。
段ボールなどを組み立てて便座を作り、そこに汚物袋をセットして使うものもあります。
普段の便器が使えない場合に備えて、こうしたタイプを用意しておく方法もあります。
ただ、一人暮らしのマンションなどでは収納スペースが限られていることもあります。
そのため、
「まずは普段のトイレに取り付ける携帯トイレを備える」
というところから始め、必要に応じて簡易トイレを追加する考え方でもよいでしょう。

一人暮らしなら、災害用トイレは何回分必要?
ここは、防災トイレを選ぶときに一番気になるところかもしれません。
「何個買えばいいの?」
という疑問ですね。
一つの目安になるのが、1人につき1日5回という考え方です。
たとえば、
| 備える期間 | 1人分の目安 |
|---|---|
| 1日 | 5回分 |
| 3日 | 15回分 |
| 5日 | 25回分 |
| 7日 | 35回分 |
このように考えると、自分に必要な量がイメージしやすくなります。
まずは15回分を目標にする方法も
防災用品は、すべて一度にそろえようとすると大変です。
そこで一人暮らしなら、
「まず3日分=15回分」
を一つの目標にしてみるのもよいでしょう。
もちろん、災害の規模やライフラインの復旧状況によって必要な期間は変わります。
内閣府は現在、最低3日、できれば1週間程度の備蓄を呼びかけています。
そのため、余裕があれば35回分程度まで増やしておくと、さらに安心です。
「15回分しかないからダメ」ではありません
ここは大切にしたいところです。
防災というと、
「1週間分必要です」
「100回分買いましょう」
などと言われると、急にハードルが高く感じられます。
でも、何もない状態から始めるなら、まず15回分を用意するだけでも大きな一歩です。
その後、
「もう少し増やしておこうかな」
と思ったときに、30回分、50回分と追加していけばいいのです。
防災は、一度に完璧にするものではなく、少しずつ整えていくもの。
そう考えると、始めやすくなります。
携帯トイレはどうやって使うの?
実際に商品を購入するときは、「使い方が難しくないか」も気になりますよね。
一般的な便器に取り付けるタイプでは、便器に汚物袋をセットし、その上から便座を戻して使います。
排泄後は、凝固剤を入れて処理するという流れが基本です。
ただし、商品の種類によって袋のセット方法や凝固剤の入れ方などが違います。
購入したら、災害が起こるまで箱を開けないのではなく、一度説明書を確認しておくと安心です。

凝固剤は何のため?
凝固剤は、排泄物に含まれる水分を吸収して、処理しやすい状態にするために使われます。
水洗トイレのように、そのまま流すものではありません。
商品によって凝固剤の量や使い方が違うので、
「このくらい入れればいいだろう」
と自己判断せず、商品の説明どおりに使うことが大切です。
実際に一度確認しておくと安心
防災用品は、災害が起きてから初めて使うことになる場合があります。
でも、初めて使うものを暗い部屋で、断水した状態で使うのは不安ですよね。
そこで、購入したら、
- 袋はどこに入っているか
- 凝固剤はどれか
- 便器にはどのように取り付けるか
- 使用後はどの袋に入れるか
- 保管場所はどこにするか
くらいは一度確認しておきましょう。
「使える」と分かっているだけでも、いざというときの安心感が違います。
災害時のトイレで意外と困る「使用後」の問題
災害用トイレを選ぶとき、つい「何回分入っているか」だけを見てしまいがちです。
でも、実際には使った後のことも考えておく必要があります。
使用済みの便袋はどこに置く?
災害時には、通常どおりゴミ収集が行われるとは限りません。
そのため、使用済みの便袋を一時的に保管しなければならないことも考えておきましょう。
ここで気になるのが「臭い」です。
一人暮らしの部屋では収納場所が限られているため、使用済みの袋をどこに置くかは、かなり現実的な問題になります。
防臭袋は必要?
商品によっては、最初から防臭袋がセットになっています。
これは、使用済みの便袋をさらに包んで保管するために役立ちます。
一方で、防臭袋が付属していない商品もあります。
その場合は、
「トイレ本体だけでなく、使用後の保管まで考えて必要な袋を準備する」
ことが大切です。
特に長期間の在宅避難を想定するなら、トイレの回数だけでなく、使用済み袋をどのように保管するかまで考えておきたいところです。
ゴミの出し方は自治体のルールを確認
使用済みの便袋をどのように処分するかは、自治体のルールや災害時の指示に従う必要があります。
商品メーカーが「可燃ごみ」と案内している場合でも、災害時には通常と異なる対応になることがあります。
そのため、
「商品に書いてあるから、いつでも普通のゴミに出せばいい」
とは考えず、実際の災害時には自治体の情報を確認しましょう。
一人暮らしの女性が気になる災害時のトイレ事情
防災トイレについて調べていると、「何回分必要か」「凝固剤がどうなっているか」といった機能面の話が中心になりがちです。
でも、実際に使う場面を想像すると、それ以外にも気になることがあります。
避難所のトイレだけに頼らなくてもいいように
災害が起きたら必ず避難所へ行く、というわけではありません。
自宅が安全で、そこにとどまることができるなら、在宅避難という選択肢もあります。
その場合、自宅にトイレの備えがあるかどうかはとても重要です。
もちろん、建物に危険がある場合や、自治体から避難の指示が出ている場合は、安全を優先して避難する必要があります。
「自宅に備えておく=絶対に自宅から出ない」という意味ではありません。
自宅でも避難先でも、そのときの状況に応じて使えるように準備しておく、と考えるとよいでしょう。
夜間のことも考えておく
停電した夜に、暗い部屋から外へ出てトイレを探すのは不安なものです。
特に一人暮らしなら、夜間の移動そのものが負担になることもあります。
携帯トイレを自宅に備えておけば、少なくとも「トイレが使えないときにどうしよう」という不安を減らせます。
もちろん、照明や懐中電灯なども一緒に準備しておきたいですね。
生理中だったら?
女性の場合は、生理用品についても考えておく必要があります。
災害は、生理のタイミングを選んでくれません。
そのため、
-
- 生理用品
- ウェットティッシュ
- トイレットペーパー
- ビニール袋
- 手指を清潔にするための用品
などを、トイレ用品と一緒にまとめておくと便利です。
「トイレだけ」を考えるのではなく、トイレを使うときに必要になるものをひとまとめにすると、いざというときに探し回らずに済みます。

マンション・賃貸住宅で災害時のトイレを考えるときの注意点
一人暮らしのマンションでは、戸建てとは少し違ったことも考えておきたいものです。
特に大切なのが、「自分の部屋だけを見て判断しない」ことです。
マンションでは、建物全体の排水設備などが関係します。
自分の部屋のトイレに異常がなくても、建物側の設備に問題があれば、普段どおり流せない場合があります。
管理会社からの案内を確認する
大きな地震などが起きた場合は、マンションの管理会社や管理組合から、排水設備の使用について案内が出ることがあります。
災害時には、
「とりあえず流してみよう」
と自己判断せず、確認できる情報を探すことが大切です。
特に賃貸住宅の場合は、普段から管理会社の連絡先をスマートフォンなどに登録しておくと安心です。
防災トイレは取り出しやすい場所へ
防災用品をクローゼットの奥に入れてしまうと、地震で物が倒れたときなどに取り出せなくなる可能性があります。
トイレ用品については、
「トイレの近くで、邪魔にならず、すぐ取り出せる場所」
を考えてみましょう。
たとえば、
- トイレ内の収納
- トイレ近くの棚
- ベッドから取り出しやすい収納
- 防災用品をまとめたボックス
などです。
ただし、トイレ内は湿気が多いこともあるので、商品の保管条件も確認してください。
災害用トイレを選ぶときのチェックポイント

いざ商品を探してみると、回数も価格もセット内容もさまざまです。
「結局どれを選べばいいの?」
となってしまいますよね。
そこで、次のポイントを確認してみましょう。
①何回分入っているか
まず確認したいのが回数です。
一人暮らしなら、まず15回分を目安にする方法があります。
ただし、すでに15回分持っているなら、次は30回分、50回分と増やしていく考え方もできます。
②汚物袋は入っているか
凝固剤だけが入っている商品もあります。
「凝固剤があれば何とかなる」と思わず、便器にセットするための袋が付いているか確認しましょう。
③防臭袋は付いているか
使用後の保管まで考えるなら、防臭袋の有無もチェックしたいポイントです。
ただし、防臭袋が何枚入っているかは商品によって違います。
「トイレの回数=防臭袋の枚数」になっているとは限らないので、セット内容をよく確認してください。
④自宅の便器に使えるか
基本的には洋式便器に取り付けるタイプが多いですが、便器の形やサイズによっては適合しない場合があります。
メーカーが「使用できる便器」や袋のサイズを案内している場合は、購入前に確認しましょう。
⑤保管しやすいか
一人暮らしでは収納場所も大切です。
トイレ用品は必要だからといって、大きすぎるものを無理に買う必要はありません。
「何回分必要か」と「どこに置くか」をセットで考えると、自分に合った商品を選びやすくなります。
一人暮らしにおすすめの災害用トイレを選んでみました
ここまで読んで、
「では、実際にはどんな商品を選べばいいの?」
と思われた方もいると思います。
ここでは、単純なランキングではなく、「どんな人に向いているか」という視点で見ていきます。
まず3日分を備えたいなら「15回分」
一人暮らしで、まず基本的な備えを作りたいなら、15回分程度の商品が候補になります。
たとえば、BOSの「非常用トイレセット15回分」は、15回分の凝固剤・汚物袋・防臭袋に加えて便器カバーが入ったセットです。
コンパクトなパッケージなので、収納場所を大きく取りたくない方にも検討しやすいタイプです。
ただし、便器の形やサイズによっては設置できない場合があるため、購入前にメーカーが案内しているサイズを確認しておきましょう。
少量から始めたいなら「5回分」
「防災用トイレをまだ一度も用意していないけれど、いきなり大量に買うのはちょっと……」
という方なら、少量タイプから始める方法もあります。
アイリスオーヤマには、凝固剤・汚物袋・防臭袋がセットになった5回分の商品があります。
5回分だけでは長期間の備えにはなりませんが、まず使い方を確認したり、防災用品の一つとして備えたりするきっかけにはなります。
その後、必要に応じて30回分、50回分などを追加していく方法もあります。
できるだけ長く備えたいなら「50~100回分」
「一人暮らしだからこそ、できるだけ長く自宅で過ごせるように準備しておきたい」
という方なら、大容量タイプも候補になります。
アイリスオーヤマには、50回分や100回分の非常用トイレセットがあります。
たとえば100回分の商品では、凝固剤100個に加えて汚物袋110枚、防臭袋24枚がセットになっています。
ただし、100回分ともなると、それなりの収納スペースが必要です。
「大容量だから安心」とだけ考えず、保管場所まで決めてから購入することをおすすめします。
便器そのものが使えない場合にも備えたいなら「組立式」
普段のトイレに取り付ける携帯トイレとは別に、便器そのものが使えない場合を考えて、組立式の簡易トイレを用意する方法もあります。
小久保工業所の「組立式緊急簡易トイレ」は、段ボール製の便器を組み立てて使用するタイプで、汚物袋・処理袋・凝固剤が10回分セットになっています。
普段の洋式トイレが使えない場合を想定して備えておきたい方には、こうしたタイプも選択肢になります。
一方で、サイズは約32×34.5×32.5cmあるため、コンパクトな携帯トイレと比べると収納場所は必要です。
災害用トイレは「何を買うか」より「どう備えるか」が大切
ここまで読んでいただくと、災害用トイレにはいろいろなタイプがあることが分かっていただけたと思います。
でも、商品を選ぶ前に、もう一度考えてほしいことがあります。
それは、
「私は災害が起きたとき、どこでトイレを使うのだろう?」
ということです。
自宅が安全なら在宅避難になるかもしれません。
避難するなら避難所へ行くことになるかもしれません。
大きな被害がなくても断水だけが続く可能性もあります。
だからこそ、
「この商品を買えば大丈夫」ではなく、「いくつかの状況を想定しておく」
ことが大切です。
一人暮らしなら、まずここまで準備してみませんか?
防災用品を何も持っていないなら、最初から完璧を目指さなくても大丈夫です。
まずは、
- 1人3日分を目安に15回程度のトイレを準備する
- 使用済み袋をどう保管するか考えておく
- 防臭袋が必要か確認する
- トイレ用品の保管場所を決める
- 自宅のトイレが災害時にどうなるか確認する
- マンションなら管理会社などからの案内を確認する方法を知っておく
このくらいから始めてもいいと思います。
そして、余裕ができたら5日分、1週間分と増やしていけばいいのです。
災害時のトイレは「使った後」まで考えて備えよう
災害が起きたとき、食料や飲み水のことは比較的イメージしやすいものです。
でも、トイレについては、
「普段と同じように使えるでしょう」
と、つい後回しにしてしまいます。
ところが、断水や下水道・排水設備の被害などによって、普段どおり使えなくなる可能性があります。
だからこそ、普段の生活ができている今のうちに、
「もしトイレが使えなくなったらどうする?」
と考えておくことが大切です。
一人暮らしなら、まずは15回分程度を一つの目安にして、少しずつ備えてみてはいかがでしょうか。
そして、トイレ本体だけではなく、
「使った後の袋をどうするか」
まで考えておくこと。
これが、災害時のトイレを備えるときの大切なポイントです。
防災用品は、使わずに済むのが一番です。
でも、もしものときに「準備しておいてよかった」と思えるように、今できる範囲から少しずつ整えておく。
それだけでも、災害への備えは一歩前進します。
災害用トイレは、普段から一度使い方を確認しておくと安心
災害用トイレは、買って収納しておけば終わり、というものではありません。
実際に必要になったとき、停電していたり、家の中が片付いていなかったり、気持ちに余裕がなかったりする可能性があります。
そんなときに、
「この袋はどこに取り付けるの?」
「凝固剤はいつ入れるの?」
「使用後はどの袋に入れるの?」
と迷ってしまうと、それだけでも負担になります。
そこで、商品を購入したら、一度だけでも説明書を開いて、使い方を確認しておきましょう。
実際に排泄しなくても確認できることがあります
防災用品を実際に使ってみるのは少し抵抗があるかもしれません。
もちろん、無理に試す必要はありません。
ただ、袋をどのように便器にセットするのか、凝固剤がどこに入っているのか、使用後はどのように閉じるのかなどは、説明書を読むだけでも確認できます。
また、セットの中に何が入っているのかを一度確認しておくと、いざというときに「あれが足りない」ということにも気づきやすくなります。
- 汚物袋はどれ?
- 便器に取り付ける袋はどれ?
- 凝固剤はどこにある?
- 防臭袋は何枚入っている?
- 使用後はどのように処理する?
こうしたことを、平常時に一度確認しておくだけでも安心です。
災害用トイレは、どこに置いておく?
防災用品は「収納場所」も大切です。
せっかく準備していても、地震のあとに家具が倒れて取り出せなかったり、押し入れの奥に入れていて見つからなかったりしたら困ります。
「取り出しやすさ」を優先する
災害用トイレは、できればすぐ取り出せる場所に置いておきたいものです。
一人暮らしのマンションなら、たとえばトイレの近くの収納や、玄関に近い防災用品の収納スペースなどが候補になります。
ただし、トイレの中に置く場合は湿気に注意しましょう。
商品の保存方法や保存温度などが指定されている場合は、その条件に従って保管してください。
「防災用品は一か所に全部まとめる」とは限らない
懐中電灯、非常食、飲料水、救急用品、トイレ用品などを、全部一つの大きな箱に入れてしまうと、必要なものを取り出しにくくなることがあります。
特にトイレ用品は、災害直後から必要になる可能性があります。
そのため、
「防災用品の中でも、トイレ用品だけは別にまとめておく」
という方法もあります。
箱や袋に「非常用トイレ」と書いておけば、家族がいる場合にも場所を伝えやすくなります。
一人暮らしでも、家族や親しい人が自宅に入る可能性を考えて、置き場所を決めておくとよいでしょう。
防災トイレは「家にいるとき」だけ考えればいい?
ここまで主に自宅での使用について説明してきました。
でも、災害は自宅にいるときに起こるとは限りません。
仕事や買い物に出ているとき、病院へ行っているとき、旅行中などに災害が起こることもあります。
そのため、一人暮らしの場合は、自宅用の備蓄とは別に、外出時の備えを少し考えておくと安心です。
バッグに入れておける少量タイプもある
自宅には15回分や30回分などを備えていても、外出先で使えるものが何もないということもあります。
そんな場合には、1~2回分などのコンパクトな携帯トイレをバッグに入れておく方法があります。
ただし、外出時に持ち歩くものは「自宅に備蓄するもの」とは目的が違います。
自宅用は数日間の生活を支えるための備蓄、持ち歩き用は外出中にトイレが使えなくなった場合の応急的な備えと考えると分かりやすいでしょう。
携帯トイレと簡易トイレ、どちらを選べばいい?
ここまで読んでも、
「携帯トイレと簡易トイレ、結局どっちがいいの?」
と思うかもしれません。
一人暮らしの女性が自宅で備える場合、まずは普段の洋式便器に取り付けて使える携帯トイレを検討しやすいと思います。
理由はシンプルです。
普段の便器を使えるため、災害時でもいつものトイレに近い形で使えるからです。
| 選び方 | 向いている人 |
|---|---|
| 携帯トイレ | 普段の洋式便器を利用して備えたい |
| 簡易トイレ | 便器自体が使えない場合にも備えたい |
| 両方 | さまざまな状況に備えておきたい |
ただし、マンションや賃貸住宅の場合は、災害の状況によっては建物の排水設備が使えない可能性があります。
そのため、携帯トイレを準備しておくことに加えて、マンションの災害時の排水ルールを確認しておくことも忘れないようにしましょう。
災害用トイレを選ぶとき、価格だけで決めないほうがいい理由
ネットショップを見ると、災害用トイレはかなり価格差があります。
「こちらのほうが安いから、これでいいかな」と思ってしまいますよね。
もちろん価格は大切なポイントです。
でも、災害用トイレについては、「1回あたりいくらか」だけで比較しないことをおすすめします。
セット内容を確認する
たとえば同じ「50回分」と書かれていても、セット内容が同じとは限りません。
汚物袋は何枚なのか、防臭袋は入っているのか、便器に取り付ける袋はあるのかなど、細かく確認する必要があります。
価格だけを見て購入すると、あとから必要なものを追加で買うことになる場合もあります。
「何回分」だけで比較しない
商品を比較するときは、次のように考えてみてください。
- 何回分の凝固剤が入っている?
- 汚物袋は何枚?
- 防臭袋は何枚?
- 便器に取り付けるための袋は入っている?
- 保管しやすいサイズ?
- 保存期間や保存条件は?
- 自宅の便器に使用できる?
このあたりまで確認すると、「安いから」という理由だけで選ばずに済みます。
「100回分も必要?」と思ったら、収納場所から考えてみる
災害用トイレを探していると、50回分、100回分といった大容量の商品も見つかります。
一人暮らしだと、
「そんなに必要なの?」
と思うかもしれません。
確かに、100回分を一人で使うと考えると、とても多く感じます。
でも、1日5回という目安で考えれば、100回分は20日分に相当します。
もちろん、実際に20日間トイレが使えなくなると決まっているわけではありません。
ただ、災害の規模によってはライフラインの復旧に時間がかかることもあります。
そのため、長期間の在宅避難を考える人にとっては、大容量タイプにも意味があります。
ただし、収納できなければ意味がありません
一人暮らしの住宅では、収納場所にも限りがあります。
防災用品を増やしすぎて、普段の生活がしにくくなってしまっては本末転倒です。
そこでおすすめしたいのが、
「必要な回数」だけでなく「置ける場所」から逆算する方法
です。
たとえば、
「トイレ横の棚には15回分なら置ける」
「クローゼットの下段には50回分なら置ける」
というように、自宅の収納スペースを確認してみます。
そうすれば、自分の暮らしに合わないほど大きなセットを買ってしまうこともありません。
災害用トイレは「買った日」も確認しておこう
防災用品は、一度購入するとそのまま長期間しまい込んでしまいがちです。
気がついたら何年も経っていた、ということもあります。
商品によって保存期間などが異なるため、購入したら「いつ買ったか」をメモしておくと便利です。
スマートフォンのメモに残しておくだけでも構いません。
さらに、防災用品を見直すタイミングを決めておくと、トイレ用品だけでなく、非常食や電池なども一緒に確認できます。
年に一度の防災用品チェックでも十分
「毎月防災用品を確認しましょう」と言われると、面倒になってしまいますよね。
そこで、たとえば年に一度、
「防災用品を全部確認する日」
を決めておく方法があります。
そのときに、
- 災害用トイレは残っている?
- 保存状態に問題はない?
- 非常食の期限は大丈夫?
- 電池は使える?
- 懐中電灯は点灯する?
- スマートフォンの充電手段はある?
と、一緒に確認します。
一度準備したら終わりではなく、「時々確認する」ところまで含めて防災だと考えておくと安心です。
一人暮らしの防災は「全部そろえる」より「困る順」に
防災用品を調べ始めると、必要なものがたくさん出てきます。
非常食、水、ライト、モバイルバッテリー、ラジオ、救急用品、衛生用品、トイレ……。
全部そろえようとすると、かなりの量になります。
そこで、一人暮らしの場合は「自分が困りそうなものから順番に準備する」という考え方でもよいと思います。
今回の記事では、まずトイレを取り上げました。
次は水、その次は食事、その次は停電……というように、一つずつ考えていけばいいのです。
そうすれば、「防災って大変そう」と感じていた方でも、少しずつ準備できます。
こんな備え方なら、一人暮らしでも始めやすい
最後に、今回の記事の内容をもとに、一人暮らしでの備え方を簡単に整理してみます。
- まず15回分程度の携帯トイレを用意する
- 使用済み便袋を保管する場所を決める
- 防臭袋が足りるか確認する
- トイレ用品を取り出しやすい場所に置く
- 自宅のトイレが災害時に使える条件を確認する
- マンションなら管理会社などの案内を確認する方法を知っておく
- 余裕ができたら30回分、50回分などに増やす
- 外出用として少量の携帯トイレをバッグに入れることも検討する
これなら、最初から大量の防災用品を購入する必要はありません。
「まずトイレだけ」から始めて、次に水、食料、停電対策……と広げていけばいいのです。
まとめ|災害時のトイレは「今のうちに考えておく」ことが大切
災害時のトイレについて考えると、最初は少し不安になるかもしれません。
でも、必要なことを一つずつ整理してみると、それほど難しいことではありません。
大切なのは、
「トイレが使えなくなったら、どうする?」
ということを、災害が起こる前に一度考えておくことです。
一人暮らしなら、まずは1人3日分の目安となる15回分程度から備えてみるのもよいでしょう。
そのうえで、使用済み便袋の保管、防臭袋、収納場所、マンションの排水設備などについても考えておけば、より安心です。
そして、防災用品は「たくさん買った人が偉い」というものではありません。
自分の住まいや収納スペース、生活スタイル、予算に合わせて、無理なく続けられる形で備えることが大切です。
災害は、いつ起こるかわかりません。
だからこそ、何も起きていない今のうちに、「これだけは困りそう」と思うところから少しずつ準備しておきましょう。
今回の「トイレ」をきっかけに、次は水や食事、停電など、自分の暮らしに必要な備えを一つずつ考えていけばいいのです。
完璧な防災を目指さなくても大丈夫です。
「もしものときに、少しでも困らないようにしておく」。
それだけでも、十分な防災の一歩だと思います。

