「防災の準備をしなくては」と思いながら、何から始めればいいのかわからない……。
そんなふうに感じている方は、少なくないのではないでしょうか。
防災用品を調べてみると、非常食や保存水、防災リュック、懐中電灯、携帯トイレなど、たくさんの商品が出てきます。
でも、いきなり「必要なものを全部そろえよう」とすると、「結局、何が本当に必要なの?」と迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、商品をおすすめすることから始めません。
「もし、ひとりで暮らしているときに災害が起きたら、自分は何に困るだろう?」
まずは、ここから考えてみたいと思います。
地震だけでなく、台風や大雨、線状降水帯による大雨など、私たちの暮らしに影響する自然災害はいろいろあります。
災害の種類によって起こることは違いますが、電気・水道・通信などのライフラインが止まったり、外へ出られなくなったりすると、普段は当たり前にできていることが急に難しくなるかもしれません。
特に一人暮らしの場合、困ったときにすぐ頼れる人が家にいるとは限りません。
だからこそ、「防災用品を買う」より先に、「困ることを知っておく」ことが大切なのではないでしょうか。
この記事では、一人暮らしの女性の目線から、災害が起きたときにどんなことが困りやすいのかを整理してみます。
全部を一度に準備する必要はありません。
「これなら今から考えておけそう」と思うところから、少しずつ始めていきましょう。

- 災害にはどんな種類がある?地震だけではありません
- 一人暮らしで災害が起きたら、何に困る?
- まず困るのが「トイレ」です
- 電気が止まると、夜の生活が大変になります
- 水が止まると、飲み水だけの問題ではありません
- 食事は「食べ物があるか」だけではありません
- お風呂に入れない、洗濯できない……衛生面も気になります
- 女性ならではの「困った」もあります
- スマートフォンが使えなくなることも考えておく
- 暑さ・寒さへの備えも忘れたくありません
- 防災は「全部そろえる」ことから始めなくても大丈夫
- 「自分が困ること」を書き出してみる
- 一人暮らしだからこそ、普段の生活を基準に考える
- 防災は、怖がることではなく「困ることを減らす」こと
- まとめ|まずは「自分が何に困るか」を考えることから
災害にはどんな種類がある?地震だけではありません
「防災」と聞くと、まず地震を思い浮かべる方が多いかもしれません。
もちろん地震への備えは大切ですが、私たちの生活に影響する自然災害は地震だけではありません。
台風や大雨、洪水、土砂災害、大雪など、住んでいる地域や季節によって注意したい災害は変わります。
最近よく耳にするようになった「線状降水帯」も、大雨による災害を考えるうえで知っておきたい言葉のひとつです。
防災を考えるときは、「地震が来たらどうする?」だけではなく、「自分の住んでいる場所では、どんな災害が起こり得るのか?」という視点も持っておきたいですね。
地震で起こりやすいこと
地震が起きると、揺れによって家具や家電、食器などが倒れたり落ちたりすることがあります。
建物や道路などに被害が出れば、交通機関が止まったり、外出が難しくなったりすることもあります。
さらに、地震そのものの揺れが収まったあとも、停電や断水、通信障害などが起こる可能性があります。
- ☑ 家具や物が倒れる・落ちる
- ☑ ガラスや食器などが割れる
- ☑ 停電する
- ☑ 断水する
- ☑ スマートフォンなどの通信が使いにくくなる
- ☑ 電車やバスなどの交通機関が止まる
- ☑ 避難が必要になる場合がある
「揺れが終われば元の生活に戻れる」とは限らないところが、災害への備えを考える難しさでもあります。

台風では「外に出られない」ことも考えておく
台風の場合は、地震とは違って、ある程度事前に接近を知ることができます。
そのため、天気予報や自治体からの情報を確認しながら、早めに備えることが大切です。
一方で、強い風や大雨によって、外出そのものが危険になることがあります。
交通機関が止まったり、道路が冠水したり、停電が起きたりすることも考えられます。
つまり台風の場合は、「災害が起きたから避難する」だけではなく、「危険になる前にどう行動するか」も重要になります。
大雨・洪水・土砂災害にも注意
大雨が続くと、河川の増水や氾濫、道路の冠水、土砂災害などにつながることがあります。
特に一人暮らしの場合、「まだ大丈夫かな」と自分ひとりで判断してしまわないよう、自治体や気象庁などから出される情報を確認する習慣をつけておくと安心です。
自宅周辺にどのような危険があるのか、あらかじめハザードマップを確認しておくことも大切です。
災害が起きてから地図を探すのではなく、普段のうちに「自宅から安全な場所へ行くにはどうするか」を考えておくと、いざというときに慌てにくくなります。
線状降水帯って何?
大雨のニュースなどで「線状降水帯」という言葉を耳にする機会も増えました。
線状降水帯とは、発達した積乱雲が列をなして次々に発生・通過することで、同じ場所に強い雨が長時間降り続く現象です。
短い時間に大量の雨が降ることで、河川の増水や氾濫、浸水、土砂災害などにつながる可能性があります。
こうした言葉をニュースで聞いたときに、「自分には関係ない」と考えるのではなく、「もし自宅周辺で大雨が続いたら、私はどうする?」と考えておくことが、防災の第一歩になります。

一人暮らしで災害が起きたら、何に困る?
ここからが、この記事で一番考えてみたいところです。
防災用品を選ぶ前に、まず普段の生活を思い浮かべてみましょう。
朝起きて、トイレを使い、水を飲み、顔を洗い、食事をして、スマートフォンを充電する。
夜になれば照明をつけ、お風呂に入り、またトイレを使って眠ります。
私たちは意識しなくても、電気や水道、通信などに支えられて生活しています。
ところが災害によって、その「当たり前」がひとつずつ使えなくなると、思っていた以上に困ることが出てきます。
一人暮らしの場合は、家の中に助けてくれる人がいないため、「自分ひとりで何とかできるようにしておく」という視点も必要です。
では、具体的にどんなことが困るのでしょうか。
まず困るのが「トイレ」です

災害時の困りごととして、意外と後回しにされやすいのがトイレです。
「水が出なければ、お風呂や料理ができない」ということは想像しやすいですよね。
でも、トイレも水道や下水道などの影響を受けます。
断水したからといって、いつも通り水を流してよいとは限りません。建物や下水道設備の被害状況によっては、排水することで別の問題が起こる可能性もあります。
そのため、災害時には「トイレが使えなくなったらどうするか」をあらかじめ考えておく必要があります。
特に一人暮らしでは、トイレを我慢したり、困ってから誰かに助けを求めたりするのは簡単ではありません。
だからこそ、トイレは防災の中でも早めに考えておきたいものです。
次の記事では、「災害時のトイレ」をテーマに、携帯トイレや簡易トイレにはどんな違いがあるのか、何回分くらいを考えればよいのかなどを詳しく見ていきます。
電気が止まると、夜の生活が大変になります
昼間なら、停電しても窓から入る明るさがあります。
でも、夜になったらどうでしょうか。
部屋の照明がつかないだけでなく、廊下や階段、トイレなどへ移動することも不安になります。
一人暮らしなら、「ちょっと明かりを持ってきて」と頼む相手も家の中にはいません。
また、停電が長引けばスマートフォンの充電も問題になります。
- ☑ 部屋の中が暗くなる
- ☑ 夜にトイレへ行くのが不安
- ☑ 懐中電灯などを探すのも大変
- ☑ スマートフォンの充電ができなくなる
- ☑ 災害情報を確認しにくくなる
- ☑ 一人で夜を過ごすことに不安を感じる
ここでは、単に「懐中電灯を買いましょう」と考えるのではなく、「自分なら暗い部屋で何をするだろう?」と考えてみることが大切です。
手に持って使うライトがいいのか、置いて使えるランタンがいいのか、それとも両手が自由になるタイプが便利なのか。
こうして考えると、自分に必要な明かりが見えてきます。
水が止まると、飲み水だけの問題ではありません
災害時の備蓄というと、「飲料水を用意する」というイメージが強いかもしれません。
もちろん飲み水は大切です。
でも、水が必要なのは飲むときだけではありません。
料理、歯みがき、手洗い、洗顔など、普段の生活のさまざまな場面で水を使っています。
そして、先ほどのトイレの問題もあります。
つまり、「水が止まったら、普段の生活のどこが変わるのか」を考えることが重要です。
一人暮らしの場合、家族が多い家庭と比べて必要量は少なくなりますが、その分「自分ひとりで準備しておく」必要があります。
重いペットボトルを大量に運ぶのが難しい場合は、保存場所や購入方法まで考えておきたいですね。
次の段階では、「一人暮らしなら水をどのくらい備えればいいのか」「保存水はどんなものを選ぶのか」といった具体的な問題につなげられます。
食事は「食べ物があるか」だけではありません

災害時には、スーパーやコンビニにいつでも買い物に行けるとは限りません。
そのため、普段からある程度の食料を備えておくことが大切です。
ただし、非常食を選ぶときにも、一人暮らしならではの考え方があります。
例えば、たくさん買ったけれど収納場所がない。
長期保存できても、食べ慣れないものばかりで結局手をつけない。
お湯が必要なのに、停電していて用意できない。
こうしたことも考えられます。
- ☑ 水やお湯がなくても食べられるものはある?
- ☑ 調理しなくても食べられる?
- ☑ 普段から食べ慣れている?
- ☑ 賞味期限を管理できる?
- ☑ 一人暮らしの収納スペースに収まる?
「非常食だから特別なものを買わなくてはいけない」と考えすぎなくても大丈夫です。
普段食べている食品を少し多めに用意して、使った分を買い足していくローリングストックという方法もあります。
自分の生活に合った方法を考えることが、無理なく続けるコツです。
お風呂に入れない、洗濯できない……衛生面も気になります
災害が起きて水道が止まったり、避難生活になったりすると、普段のようにお風呂に入ったり洗濯したりすることが難しくなる場合があります。
夏なら汗や臭いが気になりますし、冬でも何日も着替えられないのはつらいものです。
女性の場合は、髪や肌のお手入れ、生理用品など、さらに気になることが出てくるかもしれません。
もちろん災害直後は命の安全が最優先です。
でも、避難生活が少し長くなったとき、「清潔を保てないことが思った以上にストレスになる」ということも考えておきたいところです。
ウェットシートやドライシャンプーなど、普段から使えるものを少し多めに用意しておく方法もあります。
ここでも「防災用品を買う」のではなく、「自分が何日かお風呂に入れなかったら、何があれば少しラクだろう?」と考えてみると選びやすくなります。
女性ならではの「困った」もあります

災害時の困りごとの中には、男女共通のものもたくさんあります。
その一方で、一人暮らしの女性だからこそ、普段から少し意識しておきたいこともあります。
生理用品は、なくなってからでは困ります
災害がいつ起きるかはわかりません。
そのため、生理用品は「必要になったときに買えばいい」と考えるより、普段使っているものを少し余分に持っておくほうが安心です。
特別な防災用の商品を用意する必要があるとは限りません。
普段使うものを少し多めにストックしておけば、それ自体が防災の備えになります。
下着や着替えも意外と大切です
避難生活が長くなると、着替えの問題も出てきます。
特に下着は、食料や水ほど目立たないため、準備を忘れやすいものです。
「避難するときに持っていけるもの」と「自宅で生活を続けるために備えておくもの」を分けて考えておくと、整理しやすくなります。
プライバシーも考えておきたい
避難所など、多くの人が集まる場所では、普段の自宅とは違う環境で過ごすことになります。
着替えや睡眠、トイレなど、プライバシーが気になる場面もあるでしょう。
「避難所に行くことになったら、自分は何が気になるだろう?」と、あらかじめ想像しておくことも大切です。
一人で行動する場面も考えておく
災害時には、必ずしも誰かと一緒に行動できるとは限りません。
避難や移動が必要になったとき、暗い時間帯だったり、荷物を持っていたりすることも考えられます。
だからこそ、「一人でも安全に動けるようにするには何が必要?」という視点も持っておきたいですね。
スマートフォンが使えなくなることも考えておく

今の暮らしでは、スマートフォンが情報を得るための大切な道具になっています。
天気を調べる、ニュースを見る、家族に連絡する、地図を見る、交通情報を確認する。
普段なら当たり前にできることですが、災害時にスマートフォンの電池がなくなってしまえば、これらが難しくなることがあります。
そこで考えておきたいのが、「電源がなくなったらどうする?」ということです。
モバイルバッテリーを準備する場合も、容量だけを見るのではなく、普段使っているスマートフォンとの相性や充電方法、保管状態などを確認しておく必要があります。
また、スマートフォンだけに頼らず、必要な連絡先や避難場所などを紙に書いておくという方法もあります。
暑さ・寒さへの備えも忘れたくありません
災害は季節を選んで起きてくれるわけではありません。
夏に停電してエアコンが使えなくなれば、暑さへの対策が必要になります。
反対に、冬の停電では暖房が使えなくなることも考えられます。
特に一人暮らしでは、「少し寒いけれど我慢すればいい」と無理をしてしまうこともあるかもしれません。
でも、災害時には普段より体力を消耗している可能性もあります。
暑さ・寒さについても、「自宅で電気が使えなくなったら、どう過ごす?」と一度考えておきたいところです。
防災は「全部そろえる」ことから始めなくても大丈夫
ここまで読んで、「思ったより考えることが多いな」と感じた方もいるかもしれません。
確かに、災害時の生活を細かく考えていくと、必要になりそうなものはたくさんあります。
でも、最初から全部をそろえる必要はありません。
むしろ、最初から完璧を目指すと、費用も収納場所も大きくなり、途中で嫌になってしまうことがあります。
防災は、一度に完成させるものではなく、「自分が困りそうなところから少しずつ備える」くらいでいいのではないでしょうか。
- ☑ まず自分が一番困りそうなことを考える
- ☑ 今あるものを確認する
- ☑ 足りないものだけ少しずつ用意する
- ☑ 収納場所を決めておく
- ☑ ときどき中身や期限を確認する
例えば、今まで防災について何も考えていなかったなら、今日は「災害時のトイレ」について考えてみる。
次に停電、その次に水……というように、一つずつ進めてもいいのです。

「自分が困ること」を書き出してみる
防災を始める前に、紙やスマートフォンのメモに、こんなふうに書き出してみるのもおすすめです。
| 困りそうなこと | 考えておきたいこと |
|---|---|
| トイレ | 断水したらどうする? |
| 停電 | 夜の明かりやスマホの充電は? |
| 断水 | 飲み水や生活用水は? |
| 食事 | 調理できなくても食べられる? |
| 衛生 | お風呂や洗濯ができないときは? |
| 生理 | 必要なものを切らさない? |
| 暑さ・寒さ | エアコンが使えなかったら? |
| 避難 | どこへ、どうやって移動する? |
こうしてみると、「防災用品を買う」ということより先に、自分の暮らしを具体的に想像することが大切だとわかります。
そして、人によって困ることの優先順位も違います。
マンションの高層階に住んでいる人と、低い場所に住んでいる人では、大雨のときに考えることが違うかもしれません。
車を持っている人と持っていない人でも、避難や買い物の方法は変わります。
収納スペースが広い人と、コンパクトなワンルームで暮らしている人でも、備蓄の仕方は変わります。
だからこそ、「みんなが同じ防災用品をそろえる」のではなく、「自分の暮らしに合った備えを考える」ことが大切なのです。
一人暮らしだからこそ、普段の生活を基準に考える
防災というと、特別なものを用意するイメージがあります。
でも、実際には普段の生活の中に、そのまま防災につながるものもたくさんあります。
例えば、いつも使っている生理用品、少し多めに買ってある食品、モバイルバッテリー、ウェットティッシュなどです。
「災害用」と書いてある商品だけが防災用品ではありません。
むしろ、普段から使い慣れているものを備えておくほうが、いざというときに戸惑いにくいこともあります。
そして、一人暮らしならではの「収納場所」の問題もあります。
防災用品をたくさん買ったものの、どこに置いたかわからなくなってしまったら困りますよね。
玄関近く、ベッドのそば、キッチンなど、用途に合わせて分けて置く方法もあります。
大切なのは、「買ったら終わり」ではなく、「必要なときに使える状態にしておく」ことです。
防災は、怖がることではなく「困ることを減らす」こと
災害の話をすると、どうしても怖いイメージが先に浮かんでしまいます。
もちろん、自然災害を完全になくすことはできません。
でも、防災の目的は「何が何でも完璧に備えること」ではないと思います。
もしものときに、
「どうしよう、何もわからない」
となることを少しでも減らす。
そのために、普段の生活の中で「これが使えなくなったら困るな」と考えておく。
そして、できるところから一つずつ準備する。
それだけでも、防災への向き合い方は変わってくるのではないでしょうか。
まとめ|まずは「自分が何に困るか」を考えることから
今回は、防災用品をおすすめする前に、災害が起きたときの「困りごと」について考えてみました。
地震だけでなく、台風や大雨、洪水、土砂災害など、私たちの暮らしに影響する災害はいろいろあります。
そして、一人暮らしの場合は、困ったときに家族などへすぐ頼れるとは限りません。
だからこそ、
- ☑ トイレが使えなくなったら?
- ☑ 停電したら?
- ☑ 水が止まったら?
- ☑ 食事が用意できなかったら?
- ☑ お風呂や洗濯ができなかったら?
- ☑ 生理用品や下着が足りなくなったら?
- ☑ 暑さ・寒さに対応できなくなったら?
- ☑ 避難が必要になったら?
こんなふうに、普段の生活をひとつずつ思い浮かべてみることから始めてみましょう。
防災は、最初から完璧にそろえる必要はありません。
自分が一番困りそうなところから、少しずつ備えていけばいいのです。
次回は、災害時の困りごとの中でも、特に「どうしたらいいの?」と悩みやすいトイレについて詳しく取り上げます。
断水したら自宅のトイレは使えるのか、携帯トイレと簡易トイレはどう違うのか、何回分くらい備えればいいのか。
一人暮らしだからこそ考えておきたい、災害時のトイレについて、一つずつ整理していきましょう。

